5月14日、横浜パラトライアスロンでアメリカのメリッサ・ストックウェル(PTS2-W)にミックスゾーンでインタビューすることができました。
ストックウェルは、元アメリカ陸軍の軍人で、2004年イラク戦争でバグダッドにいたとき爆弾が爆発し左足を失いました。2008年に水泳選手として北京パラリンピックに初出場したときは、旗手をつとめたアメリカを代表する選手です。2016年リオパラリンピックに出場し、トライアスロンで銀メダルを獲得しました。
メリッサは、東京パラリンピックでは5位、横浜パラトライアスロンには過去何度も出場しています。ライバルには日本の秦由加子がいますが今大会は国内外から女子PTS2クラスはメリッサ1人しか出場しませんでした。
メリッサは、スイム13分10秒、バイク37分15秒、ラン16分10秒で終え、トランジッションも含めトータル1時間11分33秒でフィニッシュしました。
ーー今年はクラスの選手がお一人でしたが、レースの感想は?
「雨は予測していたし、去年と違って沿道に観客がいて拍手してくれるだけでエネルギーをもらえた。地元の人々が温かく迎えてくれ、選手みんな感謝しています。(クラスからは1人の参加で)自分で自分を励ますのは大変だった。一人で走るのはこのレースだけであることを願います。今日はだれかがそこにいるふりをして走っていました」
ーー女子の選手を増やすには何が必要だと思いますか?
「わからないけど、もっと若い選手を勧誘することが必要だと思います。水泳、自転車、陸上、それぞれの選手に声をかけ、トライアスロンができることを示して、必要な環境を提供することです。とにかく、もっと集まってほしい」
ーーあなたは退役軍人ですが、この戦争が起きている中でスポーツになにができるとおもいますか?
「スポーツは世界を一つにする偉大な方法です。それが今、過去にないほど必要とされています。私はアメリカを代表して競技することを誇りに思っています。今回ウクライナの選手が参加しているのはすごいことです。彼らとの連帯を表明できます。スポーツは世界を一つできるし、ここで会い、お互いに抱擁することができる」と、メリッサは力強い声と表情で話してくれた。
今大会では、帰国することができないウクライナ選手のレースを観戦し、横浜に住むウクライナ人が応援に駆けつける様子を見ることができました。
<参考>
「2020東京パラリンピック延期をうけて」メリッサ・ストックウェルからのメッセージ(WOWOW・WHO I AMページへ)
https://corporate.wowow.co.jp/whoiam/cat624/2582.html
(インタビュー協力:地主光太郎)